2024年1月17日
九州大学病院
ポイント
1.「OQrimo®」は眼科医の要望から生まれた、眼内内視鏡・眼内照明を保持する手術支援ロボットです。
九州大学、東京工業大学、順天堂大学、山口大学およびリバーフィールド株式会社が共同開発を行いまし
た。
2.2023年4月13日の薬事届出完了後、12月22日に初の臨床使用を行い、無事成功しました。
3.今後も着実に安全体制を整えながら品質や安全性の確立に努めます。
概要
一般外科でロボット手術が広がっています。ロボット手術には、手が届かないところで操作できたり、手術教育や遠隔医療に役立つ、などのメリットがあります。眼科もそう遠くない未来で、ロボットと共に手術をする時代になるかもしれません。
私たちはまずは「手術するロボット」ではなく、「手術を補助するロボット」を作ろうと考え、「眼内内視鏡・眼内照明器具を安全に保持し、術者の意のままに見たいところを見る、照らすロボット」である「OQrimo
®(オクリモ)」が完成しました。
そして今回、2023年12月22日に初の臨床使用を当院で行い、無事に手術は成功しました。
OQrimo
®は今後も安全体制を整えていきます。引き続き初期臨床使用を続け、適応疾患や最適手技を記した「適正使用マニュアル」を作成します。その上でハンズオン研修を受けて頂き、ライセンス発行を行います。また企業の関与しない「医師主導研究会」を立ち上げ、安全モニタリングを行ってまいります。
【研究者からひとこと】
今回、人類初の手術補助ロボットが眼内に入りました。素晴らしい開発メンバーに恵まれ、AMEDからの支援をいただき、製品を世の中に出すことができました。今回の手術は大きな一歩だと思います。今後、手術適応範囲を慎重に広げてまいります。
※なお、本件は1月17日に本院で開催した定例記者懇談会でも発表されました。
定例記者懇談会の開催報告は
こちら からご覧いただけます。