小児外科領域 すべての胸腹部臓器 心臓を除く 内視鏡外科手術

2023年4月1日

小児外科領域

すべての胸腹部臓器 心臓を除く
鼠径ヘルニア、虫垂炎、胃食道逆流症、漏斗胸

小児外科 助教

福田 篤久
 

小児外科領域の内視鏡手術について、
小児外科、成育外科、小腸移植外科 福田助教が回答します。 

小児外科領域の内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?

当科では1998年から内視鏡外科手術を開始しました。現在年間500-600例の手術をおこなっていますが、その約2割にあたる約100-150例が内視鏡外科手術です。鼠経ヘルニアや急性虫垂炎など日常疾患に対する腹腔鏡手術だけでなく、胃食道逆流症に対する噴門形成術など高難度とされる内視鏡手術にも積極的に取り組んでいます。

表 1 内視鏡手術術式内訳(2020年 1月ー2022年12月)

内視鏡手術の適応疾患についてお聞かせください

下表は掲載時点でのおもな適応疾患の一例で、その術式は多岐にわたります。近年では、日常疾患だけでなく嚢胞性肺疾患・食道閉鎖症・十二指腸閉鎖症・胆道拡張症・胆道閉鎖症など高難度の術式、さらに希少疾患に対しても内視鏡手術が導入されています。
欧米では胎児に対する内視鏡外科手術も臨床応用されており今後の発展が期待されます。

 
おもな内視鏡手術適応疾患
おもな内視鏡手術適応疾患

一般的な術後の経過は、いかがでしょうか

内視鏡手術は創が小さいため術後の疼痛が少ないと言われています。鼠径ヘルニアは術翌日、急性虫垂炎は術後3-5日で退院が可能です。それ以外の疾患も多くが術後1週間前後で退院になります。

手術創はどのようになりますか?

図1は胸腔鏡下横隔膜ヘルニア手術の創です。胸腔鏡手術では各々5㎜、計3ヶ所の創で手術を行います。図2は通常の開腹手術の写真です。内視鏡手術では切開する筋肉が少なく胸郭への影響が軽微です。


手術創の比較(横隔膜ヘルニア)
  • 内視鏡手術例

    図1:内視鏡手術例

  • 開腹手術例(右)

    図2:開腹手術例

おもなメリットは何でしょうか

成人と同様に術後疼痛の軽減や癒着の軽減が可能です。また創が小さいため整容性のメリットだけでなく、筋肉の切開範囲が小さいため、その後の身体の成長に伴う骨格変形への影響を最小限に出来るというメリットがあります。

現在の取り組みについてお聞かせください

当科では小児外科領域の多岐にわたる疾患領域に対応し、なおかつ安全で精確な内視鏡外科手術を提供するため、On-the-Job Trainingだけでなく、シミュレータを用いたOff-the-Job Trainingを積極的に行いチーム全体の技術力向上に努めています。

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています

小児外科、成育外科、小腸移植外科外来までお気軽にお問合せください。
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