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病院からのお知らせ 2018年07月17日 歯周病科

あなたに合った歯科治療 Vol.5 -歯周組織再生外来-

専門外来の特徴・診療方針

歯周病で破壊された歯周組織(歯肉、歯の靭帯、あごの骨)の再生を促す、新しい治療を行っています。歯周病の進行が軽度の場合、基本治療(歯磨き指導と歯周病ポケット内の歯石除去)で歯周病の進行を止めることができます。歯周病の進行が中等度から重度の場合は、外科的にポケットの深さを減少させる歯周外科(フラップ手術)手術を行います。

通常のフラップ手術だけでは歯周組織の回復が難しい場合、歯槽骨の再生を期待して歯周組織再生療法を行うことで、重度の歯周病でも改善が期待できます。

診断

歯周病の進行度と適応症例の診断のため、各種診査を行っています。
  • 歯周ポケット検査(歯磨き状態と歯の揺れ具合の評価を含む):歯肉の炎症所見、進行度を確認します
  • エックス線検査:歯を支えている骨の吸収程度と形態を確認します。
     

適応症

十分な術前の診査を行い応用可能かどうか診断する必要があります。
  •  歯周病の基本治療(歯磨き指導と歯周病ポケット内の歯石除去)が終わっている方
  •  4mm以上の深い歯周ポケットが残り、エックス線検査で垂直性骨欠損と呼ばれる(部分的なくさび状の骨の溶け方)をしている方

治療方法

フラップ手術の際に、再生療法『GTR法(組織再生誘導法)』、『Emdogain』、『リグロス*』に用いられる材料を併用して再生効果を期待します。

1. GTR法

フラップ手術の際に、歯肉と溶けた顎の骨の間に遮へい膜を置き、その遮蔽スペースで歯周組織の再生を促す方法です(遮へい膜を除去するための、2度の手術が必要な場合があります)。

2. Emdogain

フラップ手術の際に、歯が生えるときに必要なタンパク質を主成分とする薬剤を歯の根元に塗布し、歯周組織の再生を促す方法です。

  • 治療前

    治療前

  • 治療後

    治療後

3. リグロス*

フラップ手術の際に、褥瘡(床ずれ)の治療にも応用されている傷口の治癒を促すbFGFとよばれる細胞を活性化する成長因子を使用し、歯周組織の再生を促す方法です。

  • 治療前

    治療前

  • 治療後

    治療後

*2017年から歯周組織再生医療薬【リグロス】が厚生労働省の認可を受け、保険適用で使用可能となりました。

注意事項等

  •  全身疾患や服用中薬剤、また術前の診査により適応外となる場合がございます。
  •  歯周組織の再生は、手術後の経過に個人差がありますが、一般的に半年以上の経過観察が必要とされております。
  •  術後に適切な歯周病のメインテナンス治療ができていなければ、悪化する可能性があります。
お問い合わせ
窓口 歯周病科
外来TEL 092-642-6425
受付時間 初診:火曜・木曜8:30-11:00 / 再診:月曜-金曜9:00-15:00 
※予約をお願いします
料金 保険診療:GTR法(3割負担の場合 約6,000円/1歯)
自費診療:エナメルマトリックスたん白質を使う治療(約60,000円/1歯)
※治療法、歯数によってご負担が異なりますので、担当医にご相談ください