消化管外科(2) 外科系
外来窓口 | 外来4F |
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初診日 | 月・水・金 |
再診日 | 月・水・金 |
ご連絡先 | 092-642-5479 |
診療科紹介
消化管外科(2)は、食道・胃・小腸・大腸・肛門疾患を担当領域としています。肝臓・脾臓・門脈・肝臓移植外科、呼吸器外科などと連携し、がん治療を中心に手術を行っています。それぞれの疾患の専門医が担当となり治療にあたりますが、患者さんに十分な説明を行いながら、最先端の診療を実践します。私たちは、個々の患者さんにとって最適な治療法を選択し、根治を目指した積極的な治療に取り組むことをモットーとしています。
大腸がん
大腸がんは、消化器がんの中では「治りやすい」がんです。がんが大腸にとどまっている場合は、多くの患者さんが手術を受けることで治癒します。手術法には進行度に合わせて、内視鏡切除、腹腔鏡手術、開腹手術があります。消化管外科(2)では、手術支援ロボット「ダビンチ」を使った直腸がんの手術も積極的に行っています。また大腸がんは、たとえ肝臓や肺などにがんが「転移」している状況であっても、状況によっては手術でがんを治癒させることができます。進行した大腸がんに関する薬物療法の進歩はめざましいものがあり、多くの新しい薬剤が使えるようになりました。当科では、他の病院では切除不可能と判断さるような大きな肝転移でも、薬物療法でがんを小さくして手術を行うこともあります。またゲノム解析を行うことで、大腸がんの適切な薬剤を選択することができます。ぜひご相談ください。つねに患者さん、ご家族と一緒に適切な治療について考えて治療します。
食道がん
食道がんの治療は手術、内視鏡治療、放射線療法、化学療法など多岐にわかれます。当科では、他科や多職種のスタッフと連携を取りながら治療方針を決定しているため、食道がんのあらゆる病態に対応が可能です。
九州大学病院は、日本食道学会が認定した食道外科専門医認定施設です。当科での手術は、食道外科専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医が担当します。食道がん手術は大きな侵襲を伴いますが、手術手技の向上や、術前・術後管理の進歩により、安全に施行できるようになってきました。とくに鏡視下手術の導入により、皮膚切開が小さい、患者さんにやさしい手術が可能となり、術後の回復が早くなりました。当科では、手術術式の改良を重ねつつ、大部分の手術症例で鏡視下手術を行っています。
当科では、全国規模・世界規模の治験や臨床試験に参加して、食道がんに対する新規治療法の開発に積極的に取り組んでいます。治療困難例に対しても、未承認薬など、他施設では受けられないような最先端の治療が可能な場合があります。
胃がん
胃がんは進行度に合わせて、内視鏡治療、手術(腹腔鏡手術、開腹手術)、薬物療法と適切な治療が必要です。適切な治療を行えば、根治することも多い疾患です。早期のがんでは、内視鏡治療もしくは腹腔鏡手術でお腹に傷がつかない方法で胃の一部、もしくは胃のすべてを切除し、治癒させることが可能です。
当科では、胃がんの腹腔鏡手術を専門とする日本内視鏡外科学会技術認定医が手術にあたります。進行したがんの場合は手術前、もしくは手術後に薬物療法を組み合わせて治療することもできます。手術後は顕微鏡で病気の進行度合いを調べて、必要であれば適切な術後治療を行います。
手術ができないほど進んだがんもありますが、その場合も薬物療法を行うことで、通常の生活を送りながら長期に生存することが可能です。近年、薬物療法は大きく進歩しています。当科では多くの未承認薬の治験や臨床試験に参加しているとともに、またゲノム解析を行うことで、適切な薬剤を選択することができます。つねに患者さんやご家族と一緒に、適切な治療について考えて治療します。
胃粘膜下腫瘍(GIST)
治療は、まずGISTであることを画像や細胞で確認します。GISTと確認されたら腹腔鏡で腫瘍を「くりぬく」手術をします。胃がんとは異なり、大きく胃を切除したり、リンパ節を同時に切除したりすることはありません。リンパ節への転移頻度が低いためです。切除したあとに顕微鏡で腫瘍内の各分裂像を確認し、場合によっては再発を防ぐために数年の薬物治療が必要となることもあります。切除ができないような大きなGISTや、一度手術したあとに再発したGISTも、適切な薬物治療をすることで、長期間病気をコントロールすることが可能です。ぜひご相談ください。
食道がん、胃がん、大腸がんの手術では、いずれも9割以上が鏡視下手術を採用し、各領域の専門医による身体にやさしい手術を心がけています。進行したがんに対しては、他の診療科とも密接に連携して、薬物治療や放射線治療など総合的な診療に取り組んでいます。また、ゲノム医療を積極的に推進し、いくつかの未承認の治験薬も使用できます。是非ご相談ください。