呼吸器外科(2) 外科系
外来窓口 | 外来4F |
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初診日 | 月・水・金 |
再診日 | 月・水・金 |
ご連絡先 | 092-642-5479 |
診療科紹介
呼吸器外科(2)では、肺・縦隔などの胸部疾患に対する専門的な診療を行っています。近年増加している肺がんをはじめ、さまざまな呼吸器系悪性腫瘍について、総合的な診断、手術を中心とした治療、術後のフォローアップ、そして再発に対する治療を行っています。肺がんについては、呼吸器科や放射線科、病理部などと連携し、適確な診断と早期治療を行うことで、治療成績の向上を目指しています。縦隔腫瘍や胸膜中皮腫などの胸部悪性腫瘍への拡大手術も積極的に行っています。その他、転移性肺腫瘍、気胸、膿胸などの診断と治療も行っています。年間約250例の呼吸器手術を行っていますが、胸腔鏡を使用した低侵襲手術を積極的に推進しています。
肺がん
治療法は、がんの進行度と全身状態をもとに検討します。手術可能な比較的早期の肺がんについては、肺葉切除あるいは肺全摘術とリンパ節郭清(切除)を行います。より早期の場合は、肺の切除量が少ない縮小手術を行う事もあります。進行した肺がんには、抗がん剤や放射線治療に手術を組み合わせた集学的治療を行います。近年では、ほとんどの手術を胸腔鏡というカメラを用いて、小さい傷(約2-8cmの傷を数か所)で行います。当科では年間約150例の肺がん手術を行い、通常、術後1-2週間ほどで退院可能となります。
転移性肺腫瘍
治療方針は、原発腫瘍ごとに異なりますが、多くが進行がんであることから、抗がん剤治療が選択されることが多いです。原発腫瘍が切除または根治され、肺以外に再発がなく、すべての転移巣が切除可能であるなど、いくつかの条件を満たせば、肺病変に対する手術が行われます。手術は多くの場合、胸腔鏡を用いて、腫瘍周囲の肺を切除する肺部分切除が行われます。
縦隔腫瘍
多くの縦隔腫瘍は、切除することで完全に治りますが、悪性の縦隔腫瘍の中には、放射線治療や化学療法が必要となることもあり、再発することもあります。最近では、胸腔鏡を用いて、小さな創でより低侵襲な手術で切除することが可能となっています。
気胸
肺のしぼみ具合が軽度の場合は、外来で経過観察可能ですが、中等度以上の場合は、局所麻酔下に「ドレーン」というボールペンほどの太さの管を胸の中に入れてたまった空気を外に出す、「胸腔ドレナージ」という処置が必要です。初発の気胸はドレナージのみで治癒することもありますが、空気漏れが止まらない場合、CTにて嚢胞が認められる場合には手術が勧められます。ドレナージのみで治癒できた場合でも再発率は30-50%と高く、再発時には手術が勧められます。手術は全身麻酔下で、胸腔鏡というカメラを用いて、原因となっている空気漏れの場所(嚢胞)を同定し、切除または結紮(けっさつ)する方法が一般的です。
膿胸
治療法としては、胸の1か所の創からチューブを挿入し、貯留した膿を胸の外に排出する治療(ドレナージ治療)と、抗生剤治療が主体となりますが、それでも治らない場合には、手術による治療が必要となります。全身麻酔下に胸腔鏡というカメラを用いて、数か所の小さな創で膿を排出し、胸の中を洗浄する手術が一般的に行われますが、長期間にわたる膿胸が続いた場合や、治療に難渋する場合などには、肺表面の被膜を除去する手術(肺剥皮術)や、1、2本の肋骨を切除するなどし、胸の中を開放し、清浄化する手術(開窓術)を行うこともあります。治療には一般的に長期間を要します。