脳神経外科 外科系

基本概要

外来窓口 外来2F
初診日 月・水・金
再診日 月・水・金
ご連絡先 092-642-5533
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診療科紹介

脳神経外科は脳・頭蓋底腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、脊椎・脊髄疾患、中枢神経奇形、機能的脳外科疾患など、脳神経外科疾患全般を対象に、それぞれの専門スタッフを中心に外科治療を行っています。
生活の質 (QOL)の改善と維持を目指し、より確実で侵襲の少ない治療を実践しています。

主な対象疾患とその治療

当科では、脳血管障害 (脳動脈瘤、内頚動脈狭窄症、もやもや病 等)、脳腫瘍 (髄膜腫、神経膠腫、下垂体腺腫)、てんかん、小児脳神経外科などの幅広い疾患に対応し診療しています。脳血管撮影やPET、MRIなどの様々な検査の結果をもとに、最先端の技術で患者さんのニーズにあった治療を行います。
 

もやもや病、内頚動脈狭窄症

もやもや病は小児の脳卒中の原因として代表的で、過呼吸時に一過性の脱力発作を起こすのが特徴です。成人では脳出血を引き起こすことがあります。当科ではもやもや病の専門外来を行なっております。症状の有無や脳血流を参考に血行再建術を行います。
内頚動脈狭窄は脳梗塞の原因となり、狭窄の程度により治療が必要です。当科では頚動脈内膜剥離術や頚動脈ステント留置術を行なっています。
 

脳動脈瘤

脳の動脈がコブ状に膨らんだ状態です。多くの方は無症候ですが、動脈瘤による脳神経圧迫や、破裂によりくも膜下出血を起こし、致死的または重篤な後遺症を残すことがあります。サイズや形状などを参考に治療方針を決定します。当科では開頭クリッピング術、コイル塞栓術、さらにカテーテルと外科手術を融合させたハイブリッド術が可能です。
 

髄膜腫

脳を包む“髄膜”より発生する良性腫瘍です。近年の日本脳腫瘍統計では、脳腫瘍の20%以上をしめる代表的な脳腫瘍です。頭痛や腫瘍周囲の脳を圧迫することで様々な症状を引き起こします。症候の有無、サイズ、部位やを参考に治療方針を決定し、外科的治療を選択した場合は腫瘍摘出に先立ち腫瘍栄養血管の塞栓を行うことがあります。
 

脳腫瘍

脳腫瘍は転移性脳腫瘍や神経膠腫、悪性リンパ腫など多岐にわたり、診断により治療法が異なります。代表的なものとして悪性神経膠腫は術後にテモゾロミドを中心とした化学療法や放射線治療を行いますが、当科では遺伝子解析に基づき治療選択を行なっております。また、最近認可されたカルムスチン脳内留置剤や抗血管新生分子標的薬であるベバシツマブも積極的に使用しています。
 

下垂体腺腫

内分泌機能をつかさどる下垂体に生じた腺腫です。下垂体機能異常や視力・視野異常を発見されますが、近年は脳ドックを機に無症候で見つかることもあります。下垂体機能異常があれば術前・術後に内科的に内分泌機能評価を依頼します。下垂体腺腫に対しては手術加療が勧められますが、プロラクチン産生腺腫や成長ホルモン産生腺腫、甲状腺刺激ホルモン産生腺腫などでは、薬物治療が選択されることもあります。

主な手術・治療

頭蓋内腫瘍摘出術(その他)

頭蓋内腫瘍に対しては開頭または内視鏡的に腫瘍を摘出します。腫瘍摘出は診断確定や、周囲の脳への圧迫を解除することで症状を緩和すること、さらには神経膠腫では予後の改善に寄与します。良性腫瘍を除いて、摘出標本による病理学的確定診断をもとに術後は放射線や化学療法を行うことが一般的です。
 

内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術(下垂体腫瘍)

頭蓋底に生じる腫瘍には内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術を選択することがあり、代表的なものとして下垂体腺腫や頭蓋咽頭腫があげられます。鼻腔より頭蓋底の骨を削り、直接腫瘍にアプローチするもので、周囲の脳や神経へ負担を減らすことが期待されます。近年の機器の発達により、内視鏡手術は適応疾患を広げております。当科では3D内視鏡を用いた治療を行なっています。
 

脳血管内手術

脳血管内治療は、主に足の付け根にある血管から“カテーテル”と呼ばれる細い管を挿入して脳脊髄に発生した血管の病気を治療するものです。血管内治療の対象となる代表的な疾患として脳動脈瘤、内頚動脈狭窄症や血管奇形があります。さらに当科では脳血管内治療と外科手術を融合させたハイブリッド治療により困難な治療にも取り組んでいます。
 

水頭症手術(シャント手術)

脳脊髄液の循環・吸収が悪くなることで、脳室が大きくなる水頭症に対して水頭症手術を行います。脳腫瘍や脳卒中に伴うものから、明らかな原因が不明で高齢者に多い特発性正常圧水頭症まで様々な原因があります。疾患によっては脳室鏡下に第四脳室底開窓を選択することがあります。
 

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術

慢性硬膜下血腫とは脳を包む硬膜とくも膜との間に血液が貯留し被膜を形成した状態で、血腫が徐々に拡大し、脳を圧迫することで頭痛や様々な神経症状を引き起こします。慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は頭蓋骨に小さな穴を穿ち、血腫を洗浄除去することで、脳の圧排を軽減する事ができます。

その他

【得意分野】
脳腫瘍(神経膠腫などの悪性脳腫瘍、頭蓋底腫瘍、下垂体腫瘍)や血管性病変(脳動脈瘤や脳動静脈奇形、頸動脈狭窄症、もやもや病など)の手術難易度の高い病変に対し、豊富な手術経験に基づき、良好な成績をあげています。術後化学・放射線療法に関しては個々の症例に対し検討し、最適な治療を行っています。難治性てんかんなどの機能的疾患に対しても、最新の検査と手術装置を用いて、手術を行っています。

【診療体制】
日本脳神経外科学会認定専門医、日本脳卒中学会認定専門医、がん治療認定医、日本てんかん学会認定臨床専門医が専門的な診療にあたっています。毎週月、水、金曜日が初診受診日で、その日のうちにそれぞれの専門医が対応します。脳卒中や頭部外傷など緊急手術が必要な急患に対しては、救命救急センターとの連携のもと24時間体制で対応しています。

【診療方針】
患者さんの立場に立ってQuality of Life (QOL)の改善と維持を目指し、より確実な、かつより侵襲の少ない治療法を開発・実践しています。