研究と教育 咬合補綴科

基本概要

外来窓口 北棟4F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-6435
ホームページはこちら

研究

①「インプラント治療における臨床成績の検証」

インプラント治療は、歯の欠損に対して、有効な治療法の一つといわれています。多数のインプラントのメーカーがある中、インプラントの形状や、歯冠(歯のあたまの部分)とインプラント本体との連結部分に特徴のあるインプラントの3年間の臨床成績(臨床所見、X線写真によるインプラント周囲の骨の変化)を観察しています。これにより、本インプラントの有効性を検証しています(今年度終了予定)。
 

②「安全・安心・低侵襲な歯科インプラント手術のためのナビゲーションシステムの開発」

インプラント治療の普及に伴い、難易度の高いインプラント手術も増加してきています。本研究では、手術時、リアルタイムに外科処置部位を視覚化、観察することで外科処置による合併症をなくすことを目的とした手術支援システムの開発を行っています。本支援システムはすでに臨床応用しており、その有効性を検証しています。
 

③「顎顔面補綴患者の義歯と口腔状態に関連について」

口腔がんの手術後には、手術部位にその欠損部を補う形態を付与した顎義歯を製作、装着します。本研究では顎義歯による機能の回復と口に関連した生活の質(QOL)、口の清掃状態との関連を検証しています。すなわち顎義歯装着後の口に関連するQOLの回復やモチベーションの向上への効果を評価しています。
 

④その他

歯の欠損に対する義歯やインプラント治療の取り組み、審美修復材料として近年、応用が増えてきたジルコニアの臨床研究、インプラント治療に用いる骨補填材の臨床研究(治験)、CAD/CAM(コンピューターで冠を作製する歯科システム)で作製した冠の臨床研究などを行ってきました。これらの成果はすでに論文、学会等で発表を行っています。
今後は、現在進行している研究に加え、歯科のみならず一般的に注目されている「口腔機能」について、さまざまの状態に応じた患者さんの口腔機能の計測と、リハビリテーションの効果について検証を行っていく予定(計画立案中)です。

教育

咬合補綴科では、歯学部学生、研修歯科医師、当科所属の医員や大学院生を対象として臨床教育を行っています。

歯学部学生には、クラウンブリッジ補綴(歯冠補綴装置、いわゆる“差し歯”)を中心とした講義、模型実習を担当しています。ここで歯冠補綴装置作製の基本を学びます。高学年になってからの臨床実習では、患者さんの同意のもと、口腔内の一連の治療を見学、介助から自験(指導医の管理下で治療を行う)に至るまで、歯科医師として一連の治療を見学、経験いたします。また、治療を行うために必要な現症の把握、問題点の抽出、治療計画の立案などを行い、その妥当性、合理性について学ぶこととなります。

研修歯科医師や大学院生には、実際の患者の治療に加えて、基本的事項から一歩進んだ、より臨床的な知識、技術の習得を目標としています。所属教員も含めた勉強会(症例検討会、症例発表会)などに参加、発表を通して、知識と技術の向上に努めています。自分の担当の患者さん以外にも、指導医とともに診療を行うことで、より専門的な治療(インプラント治療、審美補綴治療、顎関節治療、顎補綴治療など)に携わっていきます。さらに、本科で行った臨床研究をはじめ、過去に論文等で発表されている研究結果をもとに、治療計画の立案の際にもエビデンス(研究によって結論付けられた科学的根拠)に基づいた治療を行える歯科医師の育成に取り組んでいます。