歯科麻酔科 歯科系

基本概要

外来窓口 北棟5F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-6479
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診療科紹介

手術侵襲の大きい口腔外科手術には、全身麻酔が必要になります。歯の治療が怖い患者さんや障がいのある患者さんでも、全身麻酔や鎮静法で、楽に歯の治療を受けることができます。歯科麻酔科では、さまざまな歯科診療のニーズに即した全身麻酔や鎮静法を実施しています。また、口の中や顔の痛み・しびれの診断や治療も行っています。当科は、歯科のすべての診療科と連携して、快適で安全な歯科診療を目指しています。

主な対象疾患とその治療

歯科治療恐怖症

歯の治療が怖くて診療台に座ることもできない。麻酔の注射で気分が悪くなったことがあり、また注射されるのが怖い。歯をけずる機械の音が怖くて我慢できない。幼児では歯科治療が怖くて受けることができないことがあります。このような患者さんは、通常通りの歯科治療を受けることができません。原因は、歯科治療にたいする不安や緊張、過去の歯科治療体験などさまざまです。

静脈内鎮静法(静脈麻酔ともいいます)や全身麻酔を用いて歯科治療を行います。静脈内鎮静法では、点滴をして血管の中に眠くなるお薬を入れます。そうすることによりリラックスした状態で、歯科治療を受けることができます。治療中の記憶もほとんど残りません。さらに全身麻酔ではしっかりと眠った状態で気管チューブという管を入れて呼吸を管理しますので治療中に起きる心配はありません。安全のため、鎮静法や全身麻酔を受ける前に血液や心電図、胸部レントゲン写真の検査をします。また、鎮静中や全身麻酔中は心電図や血圧計などのモニターで全身の状態を観察します。歯科治療は、それぞれの治療に適した診療科が行いますので、まず治療を行う診療科を受診してください。

異常絞扼反射・嘔吐反射

人は喉の奥を触ると吐き気を催します。嘔吐反射ともいわれますが、正確には異常絞扼反射(いじょうこうやくはんしゃ)といいます。この反射が強い患者さんは、口の中を触られる、あるいは触ろうとするだけで反射がでてしまい、吐き気を催してしまうことがあります。この反射のために通常通りの歯科治療を行うことが困難になります。原因は生理的な反射や精神的な要因などさまざまです。

静脈内鎮静法を用いて歯科治療を行います。静脈内鎮静法については「歯科治療恐怖症」の項目を参照してください。精神的な要因が強い場合には、特に効果があります。また、鎮静に使用する薬の中には、嘔吐反射を抑える作用があるものもあります。静脈内鎮静法で反射が抑えられない場合は、全身麻酔で治療を行います。まずは治療を行う診療科を受診し、主治医と歯科麻酔科医師が相談して適切な麻酔法を決めます。

筋・筋膜痛症 (筋・筋膜痛症、緊張型頭痛)

近くの歯科医に相談するけど原因がわからない、治療を続けても治らない。こんな症状で悩んでいませんか。

強い食いしばり、持続的な食いしばりにより、顎を動かす筋肉(咀しゃく筋)に凝りが生じます。この凝りがまるで歯の痛みのような鈍い、持続的なズキズキした痛みを感じさせます。当然、歯が原因ではないので歯の治療では痛みは改善しません。

痛みについての詳細な問診票と医療面接を行います。その上で神経筋の機能検査を行います。その結果、筋・筋膜痛症であれば、薬物療法、神経ブロック療法などを用いた治療を行います。

神経障害性疼痛(三叉神経痛、帯状疱疹、求心路遮断痛)

抜歯、歯の治療、顎骨の感染などで傷ができます。そののちに神経が過敏になることが知られています。ポテトチップス、歯ブラシの毛先などで触ると痛いといった、通常は痛くない刺激で痛くなったりします。熱いお茶が余計に熱くて飲めないなど、刺激によって過剰に痛くなったりもします。神経を取ったはずの歯なのに、ちょっと触っただけでも激しく痛いといった症状も現れます。このような異常感覚を伴う過敏な状態を「神経障害性疼痛」と言います。なかなか治らないばかりか、治療の具合によってはさらに悪くなることもあります。

痛みについての詳細な問診と医療面接、さらに神経筋の機能検査を行います。その結果、神経障害性疼痛であれば、薬物療法、神経ブロック療法などを用いた治療を行います。慢性の痛みに共通な気分の落ち込みなどがある場合は、心療内科と連携して治療にあたります。

特発性歯痛(非定型歯痛を含む)

「歯の神経を抜いたのにいつまでも痛い」「はっきりとこの歯というわけではないけれど、なんとなく痛い」「しつこくてズキズキした痛み」「痛くて抜歯したら、今度はその前の歯が痛くなった」などの症状があれば、非定型歯痛かもしれません。

痛みについての詳細な問診と医療面接を行い、その上で神経筋の機能検査を行います。その結果、特発性歯痛であれば、トリプタノールを用いた薬物療法を行います。慢性の痛みに共通な気分の落ち込みなどがある場合は、心療内科と連携して治療にあたります。

その他

全身麻酔・鎮静法での手術や歯科治療は、手術室、歯科麻酔科外来(外来全麻治療室)、インプラントセンターなどで行っています。手術室の全身麻酔は、医科麻酔科と連携して行っています。すべての麻酔は、歯科麻酔専門医の指導のもと、歯科麻酔学会認定医を含む歯科麻酔科医で行い、安全な麻酔を心がけています。