義歯補綴科 歯科系

基本概要

外来窓口 北棟4F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-6440

診療科紹介

「歯が無い・噛めない,でも食べたい」「歯の色・形,今より見た目も良くしたい」→義歯補綴科(ぎしほてつか)へご相談ください。補綴とは,失われた機能や形態を人工物で補う治療のことです。歯(や顎の骨)が無くなった部位を差し歯・入れ歯・インプラントなどで「噛めるように・見た目が良くなるように」補い,患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)アップの手助けをする―それが義歯補綴科の存在意義です。

主な対象疾患とその治療

歯の形の損傷

「むし歯で歯に穴があいた」「ぶつけて歯がかけた」「歯の詰め物が外れた」などの原因で正常な歯の形が失われ、見た目や噛むことに支障が出ている状態です。

詰め物や被せ物を作って歯に装着し、歯の形態を回復させます。

歯の欠損(小範囲なもの)

むし歯や歯周病、歯の根の病気やヒビ割れなどがひどいと歯を保存して使うことができなくなり、抜かざるを得ない場合があります。歯を失うことで歯列に隙間ができ、噛みにくくなったり(咀しゃく障害)、見た目が悪くなったり(審美障害)します。歯を失った範囲が小さく、はじめは不具合を感じていなくても、長期間放っておくことでこれらの問題が大きくなる場合があります。

「ブリッジ」とは、歯が無くなった部分の両隣の歯を土台にして、人工の歯を橋のように架ける方法です。入れ歯と違って取り外しの必要はありませんが、何本かの歯を土台の形に削る必要があります。

「部分入れ歯」とは、ブリッジの土台となる歯が足りなかったり、土台にするには弱い場合に多く用いられます。入れ歯を固定するため、残っている歯の何本かにバネをかけます。

「インプラント」とは、「人工歯根」とも呼ばれ、歯を失った部分の顎の骨にチタン製の人工の歯の根を埋め込み、それを土台にして歯を作る治療法です。健康保険の適応外となります。

歯の欠損(広範囲なもの)

歯を失った範囲が大きくなると、咀しゃく障害(噛みにくさ)や審美障害(見た目の悪さ)がより大きくなります。

ブリッジでは対応ができず、大きめの部分入れ歯や総入れ歯を用いる場合が多くなります。インプラント治療では広範囲に多くの本数を用いて歯のパーツを固定するケースや、少ない本数を用いて入れ歯をサポートするケースなどがあります。

顎の骨や舌の欠損

口の中の腫瘍や骨折などが原因で顎の骨や舌の一部を失うと、言葉が不明瞭になったり(構音障害)、物が飲み込みにくくなったり(嚥下障害)することがあります。

歯や顎の骨の無くなった部分を大きく覆う「顎義歯(がくぎし)」と呼ばれる入れ歯を製作したり、舌の動きを補正する「舌接触補助床(ぜつせっしょくほじょしょう)」と呼ばれる装置を製作して、噛む(咀しゃく)、飲み込む(嚥下)、話す(構音)という機能の回復を介助します。

顎関節症

顎関節症とは、「顎が痛い」、「口を動かすとカクカク音がなる」、「口を開けにくい」など、関節や周囲の筋肉(こめかみ、耳の近く、頬、えらの部分など)に痛みや動きの異常が現れることをいいます。顎関節症に似た他の病気と見分けることが重要です。

通常は、体への直接的な侵襲がほとんどない治療を優先して行います。痛み止めを服用する「薬物療法」や樹脂製のマウスピースを用いた「スプリント療法」、ストレッチや低周波装置(マイオモニター)で顎を動かす筋肉をリラックスさせる「理学療法」が一般的です。

その他

当科の基本方針は『オーラル・リハビリテーション』です。つまり,ただ入れ歯やインプラントを入れるのではなく,口腔全体を一単位として検査・治療・メインテナンスを行っています。失われた機能や形態を回復し,長く維持することが目標です。また,顎関節症や睡眠時無呼吸症の治療に用いるマウスピースも作製しています。