研究と教育 消化管内科

基本概要

外来窓口 外来3F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-5302
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研究

消化器研究室では、大きく分けて炎症性腸疾患と腫瘍の研究を進めています。炎症性腸疾患の研究として、近年、炎症性腸疾患の治療としてバイオ製薬や分子標的薬の進歩が目覚ましく、これらの製剤の治療効果予測因子の同定のために、臨床諸因子の解析やバイオマーカーの探索を行っています。この研究を通じて病態の分子メカニズムを明らかにすることを目標としています。また、最近のトピックである腸内細菌叢の網羅的な解析も潰瘍性大腸炎をターゲットに開始しています。潰瘍性大腸炎患者の病変粘膜と健常粘膜から採取した生検試料と健常者の同部から採取した生検試料からメタゲノムの手法で網羅的に腸内細菌叢の解析を行い、病態や炎症反応性との関連を解析し成果を挙げています。

さらに当研究室で疾患概念の提唱を行い、原因遺伝子を発見した非特異性多発性小腸潰瘍症の診療についても、難病情報センターのホームページを更新し画像診断アトラスの作成などの広報活動を行い、さらに多施設共同で臨床病態のさらなる解明のための研究を組織して尿中代謝産物を解析することによる新規スクリーニングの確立を目指しています。また理化学研究所との共同研究によりSNPsをマーカーとしたゲノムワイドスタディーを行っています。ゲノムワイドスタディーでは疾患関連・修飾遺伝子の同定を行っています。

腫瘍の研究では内視鏡治療が進歩していることから、内視鏡治療のデータベースを構築し、異時性の再発率や、予後調査、偶発症の解析を行っています。また、消化管原発のリンパ腫の病態解明のために、FISHや遺伝子発現解析を行い、予後や治療効果との相関を解析しています。また、胃MALTリンパ腫はピロリ菌が大きな発症因子ですが、ピロリに依存しないリンパ腫と感受性のリンパ腫の差異についても研究を行っています。

教育

九州大学病院において病態機能内科学(第二内科)は、腎・高血圧・脳血管内科ならびに消化管内科を中心に診療を行い、内分泌代謝・糖尿病内科、光学医療診療部、腎疾患治療部、救命救急センターなどの部署でも、医局員が診療と研究に従事しています。また第二内科は腎臓、高血圧、脳循環、消化器、糖尿病、内分泌、肝臓、久山(臨床疫学)の8つの研究室から構成されています。それぞれの研究室では、スペシャリストとしての研鑽を積むと同時に、研究室同士のつながりにより内科全般に対する幅広い知識の習得が可能です。
 

内科系医師を志す場合、まず目指すべき内科専門医の取得には内科全般にわたる幅広い診療経験が必要となります。第二内科は冒頭に記しましたように内科の幅広い分野の診療を担っています。“一般内科の上に専門性が存在する”、“全身を診る”といった長年受け継がれてきた診療姿勢をもとに、九州大学病院や関連施設では各専門分野の医師が垣根を超えて密に連携しています。九州大学病院における第二内科のメイン病棟である北10階病棟では、腎・高血圧・脳血管内科と消化管内科の混合病棟としての運用がなされ、学生・初期研修医・内科専攻医にとって新専門医制度に対応して疾患に偏りなく内科全般について研修でき、内科の多分野の知己を深めて「全身を診る」機会を提供しています。教授による総回診以外に、各研究室による診療グループ単位での回診やカンファレンスを通じて、多方面から総合的に治療方針を検討し、診療を進めています。
 

また若手スタッフが中心となり、主に初期研修医・専攻医を対象に各診療グループによるレクチャーを定期的に行っています。そして、病診連携の必要性が高まる今日、「内科疾患カンファレンス」と題した近隣病院や開業医の先生方との病診連携勉強会を定期的に行っています。学外から著名な講師の先生を招聘して特別講演を行い、最新の情報を共有し連携体制を整えることで、診療の円滑化を図ることを目指しています。
 

初期研修後の進路は研究室によって若干異なりますが、共通することは、まず一般内科医として必要な知識と技量を身につけ、内科専門医を取得した上で、各専門分野の専門医を目指します。その後、希望に応じて、臨床医、留学、大学院進学、研究者などの道を進むことになります。詳しくは当科のホームページ(http://www.intmed2.med.kyushu-u.ac.jp)を参照ください。