研究と教育 総合診療科

基本概要

外来窓口 外来1F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-5300
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研究

九州大学病院 総合診療科は九州大学大学院 医学研究院 感染制御医学を併設しており、福岡県粕屋町、福岡県星野村、長崎県壱岐市、沖縄県石垣市の健診に参加し、継続的な臨床疫学研究を行っています。主に動脈硬化、糖尿病、甲状腺疾患、ヘリコバクター・ピロリ菌など有病率の高い、一般住民に関わりのあるテーマを取り扱っています。また、日本多施設共同コホート研究(J-MICC)に加わり、日本各地で実施される地域住民コホート研究および医療施設受診者コホート研究を統合した疫学研究として、体質を考慮したがんを含む生活習慣病の予防対策に取り組んでいます。

国際共同研究として、米国スタンフォード大学や米国タフツ大学と留学交流を通じて、数多くの臨床研究に取り組んでいます。スタンフォード大学では、肝疾患全般の疫学・臨床研究を米国とアジアを併せた視点で行っており、タフツ大学では、米国のフラミンガム研究と日本人を比較した動脈硬化の研究を継続、発展させています。

専門領域での臨床研究として、ウイルス性肝炎(C型・B型肝炎)の抗ウイルス療法効果や発がんをテーマとした、多施設共同研究(九州大学関連肝疾患治療研究会:KULDS)に参加し、毎年多数の国内・国際学会発表、英文原著論文発表を行っています。その他、近年ではHIV感染症、院内感染、肝線維化(新規肝線維化マーカー、フィブロスキャン)、B型肝炎再活性化、核酸アナログ製剤と腎障害の解析、ウイルス肝炎や肝がんに関連する遺伝子解析などの多彩なテーマで臨床研究に積極的に取り組み、英文原著論文での実績を上げています。

2016年度の実績
学会発表:国際学会 23、国内学会 73
論文発表:英文原著 16、英文症例 2、和文症例 4

教育

日本では地方を中心に高齢化が進み、相対的な医師不足となっている地域の増加が大きな医療問題となっています。福岡県では過疎地域に限らず、福岡市都市圏でも今後医療需要が増えることが予想され、高齢患者が増える中、高次医療機関が低次医療機関の医療需要にふりまわされずに本来の機能を発揮するためには、臓器を問わずに診察し、臨機応変に対応できる総合診療専門医の必要性があります。

九州大学病院総合診療科では、このような時代に即した医療者を養成するために、「総合診療専門医」研修プログラムを提供しています。

本研修プログラムは、九州大学病院を専門研修基幹施設とする「九州大学病院を発信源とする福岡県全域をカバーする総合診療医の育成」として、病院・診療所などで活躍する高い診断・治療能力を持つ総合診療専門医を養成するために創設されました。地域住民が抱える健康問題、特に、その地域に根ざした需要を理解し、総合診療および予防医療を実践し、救急・病棟・在宅・緩和医療における経験を積み、多様な能力を身につけ、多職種との良好な連携体制でのリーダーになることが主な到達目標です。本研修プログラムで、福岡県のほぼ全域にわたる、23もの多数の連携施設の研修で、院内各専門科の医師やコメディカルスタッフ、周辺の各地域医療機関の協力のもと、さまざまな医療現場で、細やかなフィードバックを受けながら研修できる環境を整えていることが特長です。なお、22の連携施設の中に、福岡県(筑豊地区の田川市および嘉麻市、県南部地区の大牟田市および八女市)および長崎県(壱岐市)の僻地医療を含み、地域医療に配慮した僻地での専門研修を行うことも可能です。

さらに、基幹施設の九州大学病院 総合診療科は九州大学大学院 医学研究院 感染制御医学を併設しているため、同教室で実施している疫学研究の、福岡県粕屋町、福岡県星野村、長崎県壱岐市、沖縄県石垣市の健診に参加し、臨床疫学研究を行い、地域共同帯の保健活動に参加、地域保健師と共同に予防医療を体験、検診結果などの説明などを通して、上記の総合診療医の技能を獲得することも可能です。