泌尿器領域 前立腺・腎臓・副腎・膀胱 内視鏡外科手術
泌尿器領域
前立腺・腎臓・副腎・膀胱
前立腺がん
泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科 講師松元 崇
泌尿器科領域における内視鏡手術において、今回は、腹腔鏡手術に関して
泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科 松元 崇 講師が回答します。
泌尿器科領域での内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?
手術の適応についてお聞かせください
泌尿器科領域における腹腔鏡手術の適応となる代表的疾患としては、副腎腫瘍、腎がん、腎盂尿管がん、前立腺がんなどです。それぞれの疾患や手術の術式にもよりますが、進行がん以外はほとんどが適応となります。近年増加傾向にある前立腺がんについては、75歳以下の限局性がんを基本的な対象としています。各症例の術式、適応に関しては、当科でのカンファレンスで検討して決定しています。
一般的な術後の経過は、いかがでしょうか
副腎、腎の手術の場合、多くの患者さんが翌日には食事や歩行を開始し、手術後 5ー9日くらいで退院しています。術後の回復が早いため、退院後早い時期から日常生活や仕事への復帰が可能です。
前立腺がんの手術の場合も、多くの患者さんが翌日には食事や歩行を開始しています。前立腺がんの手術の場合、前立腺を摘出して膀胱と尿道をつなぎ合わせるため、手術後にカテーテルという管を尿道から膀胱に入れておきます。手術後 5ー7日目頃にこの管を抜き、数日尿の出具合を確認してから退院していただいています。
手術創はどのようになりますか?
副腎、腎の腹腔鏡手術の場合、切除した臓器を摘出するための最小限の皮膚切開創と 2ー3か所の小さな創(0.5ー1cm)ができます(写真 1)。前立腺の場合は、摘出創(約 3cm)を含めて 5ー6か所の小さな創(0.5ー1cm)ができます。
おもなメリットは何でしょうか
腹腔鏡手術では、出血量が少なく手術創が小さいため、術後の痛みが軽く、回復が早くなります。がんに対する手術の場合、その予後は従来の開腹術と同等です。
現在、積極的に行っているロボット支援手術では、 3次元画像を見ながらより精緻な手術が可能で、出血もきわめて少なく、治療成績も良好です。
新たな現在の取り組みについてお聞かせください