整形外科領域 下肢 内視鏡外科手術
整形外科領域
下肢
膝・足・股関節
整形外科 助教 水内 秀城
整形外科:下肢(膝・足・股関節)領域の内視鏡(関節鏡)手術について、
整形外科 水内 秀城助教が回答します。
膝関節外科領域での内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか。どのくらいの症例数がありますか?
手術の適応についてお聞かせください
一般的な術後の経過は、いかがでしょうか
回復が早く、術後早期に動くことができます。歩行開始時期は病状によってさまざまですが、術直後から歩行できることも多いです。スポーツによる靱帯損傷や半月損傷では、最終的には受傷前のスポーツ復帰が可能となることがほとんどです。
手術創はどのようになりますか?また、どのようなことが心配されますか
創は 1cm程度の 2-3か所用いることが多いです。
スポーツ外傷の患者さんは「元通りにスポーツができるか」「いつごろスポーツに復帰できるか」ということを特に心配されます。当科でのスポーツ復帰率は90パーセント以上です。ただし、スポーツ復帰時期は、前十字靱帯再建では 8-10か月は待ってもらうようにしています。早すぎる復帰の後にもう一度ケガをする再受傷が起こりうるからです。
おもなメリットは何でしょうか
関節機能を低下させずに、早い復帰ができることです。手術部位を拡大して見ることが出来るので、正確な手術ができます。
現在の取り組みについてお聞かせください
前十字靱帯再建術では、正常の靱帯と同じ状態を再現できるように、つねに最新・最良の手術方法を取り入れています。よりよい手術方法と治療成績を研究し、世界に発信しつつ、その成果を次の患者さんの手術に活かして還元しています。半月板損傷は可能な限り縫合による修復を行い、切除は最小限にとどめるようにしています。軟骨がすり減る変形性関節症に対しては、早い時期に骨切り術によるO脚矯正を行うことで、生涯自分の膝で歩けることを目指しています。
また、関節鏡手術は整形外科での標準的な手術法で、安全で身体に優しく正確な手術ができる方法です。しかし、変形が進行した膝関節に対しては関節鏡手術では対処できないこともあり、他の手術法を検討します。医師から十分に話を聞いて治療を受けてください。