整形外科領域 脊椎 内視鏡外科手術

2026年4月1日

整形外科領域

脊椎

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症

整形外科 助教樽角 清志

整形外科:脊椎外科領域の内視鏡手術について、
整形外科 樽角  清志  助教が回答します。

脊椎外科領域での内視鏡手術は、いつ頃から始まりましたか?どのくらいの症例数がありますか?

当科においては、2002年から本格的に導入がはじまり、現在までに約250例の手術が行われています。
2023年 4月から2026年 3月までの 3 年間の脊椎内視鏡手術の内訳を表 1に示します。
 
術式名 症例数
腰椎椎間板ヘルニア 24
腰部脊柱管狭窄症 41
  表 1 脊椎内視鏡手術の内訳   (2023年4月ー2026年3月)

 

手術の適応についてお聞かせください

主な対象疾患は、投薬や理学療法などで症状の改善がみられない腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症です。
外側型の腰椎椎間板ヘルニアの場合、これまでは非常に大きな皮膚切開を伴う侵襲の大きな手術が必要でしたが、内視鏡を用いることにより格段に少ない侵襲でヘルニアの摘出を行うことができます。
なお、膀胱直腸障害などの高度の神経学的異常を示す例、腰椎の不安定性のため脊椎固定術が必要な例、再手術例には用いていません。

一般的な術後の経過は、いかがでしょうか

腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合、従来の手術では、退院までに術後約 2週間必要ですが、内視鏡手術の場合は、翌日より歩行を開始し、 1週間ほどで退院が可能です。

手術創はどのようになりますか?

腰部脊柱管狭窄症の手術例を示します。X線を併用して脊椎のレベルを確認した後、背側に縦に約 1.8cmの切開を加え、 1.6cmのスコープを刺入して手術を行います(写真 1)。

従来の手術では、 5-6cmの切開が必要でしたが、内視鏡手術では、指先で隠れるくらいの小さな傷ですみますし、同時に筋肉へのダメージも減らすことができます(写真 2)。
  • 写真1 腰部脊柱管狭窄症に対する手術の様子

    写真 1 腰部脊柱管狭窄症に対する手術の様子

  • 写真2 手術創の比較(背側) 左:内視鏡手術 右:従来の手術

    写真 2 手術創の比較(背側) 左:内視鏡手術 右:従来の手術

おもなメリットは何でしょうか

脊椎内視鏡は、皮膚切開の小ささ、背筋群などの軟部組織に対するダメージが少ないことに加え、神経組織が拡大された明るい視野で手術が可能です。また、斜視鏡を用いることで、より広い範囲が見えることが大きな特徴です。
井戸をのぞき込んで手術していたものが、井戸の底に降りて、間近で安全に手術を行うことができるといったイメージでしょうか。術後の痛みが少なく、治療成績も従来の手術と比較して遜色ないことから、患者さんの満足度はとても高いと考えています。

現在の取り組みについてお聞かせください

脊椎内視鏡手術は極めて限られたワーキングスペースで行うため、難易度の高い手術となります。神経合併症を予防するため、内視鏡手術用の特殊な器具を導入し、安全性を高めています。
 

内視鏡手術の適応に関するご相談・ご紹介は随時、受け付けています

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