整形外科 外科系

基本概要

外来窓口 外来1F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-5504
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診療科紹介

整形外科では、体を動かす運動器(関節、靭帯、筋肉、脊髄・神経)を診療対象としています。健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間(健康寿命)と平均寿命との間には、10年ほどの差があります。健康寿命を延ばすことができるよう、外傷(骨折・脱臼など)、関節痛(変形性関節症、大腿骨頭壊死症、靭帯・腱板・半月板損傷など)、四肢の変形(関節リウマチ、外反母趾など)、腰痛や下肢痛(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など)、骨X線・画像異常(骨軟部腫瘍など)などの疾患を、大学病院として最先端の技術・知識を用いて治療を行っています。

主な対象疾患とその治療

整形外科では変形性股関節症、軟部腫瘍(悪性・良性)、変形性膝関節症、十字靭帯断裂、半月板損傷、大腿骨頭壊死症などの治療を主に行っています。その他、変形性脊椎症、脊柱側弯症、関節リウマチ、足部疾患、肩・上肢疾患などの治療を行っています。

変形性股関節症

変形性股関節症は、いわゆる股関節の“軟骨がすり減ってしまう”病気です。その“きっかけ”はいろいろとありますが、日本では骨盤側の形態異常である寛骨臼形成不全症が原因の患者さんが多く見受けられます。関節症が進行している場合には、人工股関節全置換術の適応となります。
 

軟部腫瘍(悪性・良性)

軟部腫瘍は、筋肉や皮下組織などの軟部組織に発生する腫瘍のことで、四肢・体幹部のさまざまな部位に発生し、悪性腫瘍と良性腫瘍があります。一般的に、診察所見や画像所見のみでは軟部腫瘍の良悪性は区別することが難しく、そのような場合には、生検といって、腫瘍の一部を採取して、病理検査で良悪性の診断を行います。軟部腫瘍は、良性と診断が確定もしくはその可能性が高ければ、手術を行わずに経過観察をすることもありますが、腫瘍が何らかの症状の原因となっていたり、悪性と診断された場合には、腫瘍切除術が行われます。
 

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、加齢・肥満・生活様式などを原因として、膝関節表面に存在する軟骨が変性する疾患です。関節の変形を認め、主な症状は動作時の痛みであり、関節の滑らかな動きの機能も障害されます。痛みや動きが悪くなったことで、歩行などの日常生活動作に不自由があり、薬や関節内注射などの保存療法では効果がない場合は、手術(人工膝関節置換術など)の適応となります。
 

十字靭帯断裂、半月板損傷

前十字靱帯断裂は、スポーツによる膝外傷として発生することが多く、早期のスポーツ復帰と続発する変形性関節症を予防するために再建術を行うことが一般的です。膝診察・画像評価を十分に行い、手術加療と術後のリハビリテーションによって良好な治療成績が得られます。半月板損傷は、スポーツによる膝外傷によるもの、また日常動作の中でも損傷することが多くあります。正常の半月板は、荷重の分散や関節面の安定性に寄与する組織ですが、損傷して不安定な部位があるとひっかかり感、痛みなどの症状が出現します。治療は、症状の改善と将来の関節症予防のため、縫合可能なものは縫合術を選択し、その他のものは部分切除を行います。
 

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭の一部が壊死に陥り、骨頭が陥没することで股のつけねに強い痛みが起こる疾患です。膠原病などの疾患に対するステロイド治療やアルコールの過剰摂取との関連がありますが、詳細な原因は不明で、国が難病に指定している疾患です。骨頭がひとたび陥没すると、痛みが起こるだけではなく股関節は次第に変形し、歩行障害など日常生活に多大な支障をきたすようになります。根治的治療としては手術しかなく、年齢や壊死の広がりに応じて、関節温存手術(骨切り手術)や人工関節に置換する手術を行っています。

主な手術・治療

人工関節置換術(股・膝・肩関節)

変形した各関節を金属およびポリエチレンからなる人工物で置換する手術であり、主に高齢の方で末期の変形性関節症に対して有用な手術です。劇的に関節の痛みを緩和することができ、早期の社会復帰が可能となります。人工関節では長期の耐用性が心配されますが、インプラントの進歩により大きく長期成績が改善しました。人工膝関節置換術では術後10-15年でも問題ない方が90-95%と安定した長期成績が報告されており、今後ますます手術数の増加が見込まれる方法です。
 

四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術

悪性軟部腫瘍は、筋肉や皮下組織などの軟部組織に発生する悪性腫瘍のことで、四肢・体幹部のさまざまな部位に発生し、軟部肉腫とも呼ばれます。軟部肉腫の標準治療は、腫瘍を周囲の正常組織で包んで切除する広範切除であり、手術による切除が、腫瘍の根治のためにほぼ必須となります。軟部肉腫は、まれな疾患ですが、当科には肉腫を専門とする医師が複数人勤務し、近隣のみならず遠方からも患者さんが紹介されますので、多くの手術を行っています。当科では、手術のみでなく、必要に応じて術前・術後化学療法を併用し、両者を組み合わせた集学的治療を実践しています。
 

脊椎固定術、椎弓切除・椎弓形成術

脊椎疾患に対する代表的な手術として、脊椎固定術、椎弓切除・椎弓形成術があります。脊椎固定術は主に背骨の中を通る脊髄神経の通り道が狭く、さらに背骨自体にも不安定性がある場合に神経の除圧を行うと同時に、背骨をスクリュー等によって固定する手術方法です。椎弓切除術や椎弓形成術は、いずれも脊髄神経の圧迫を解除するための手術方法です。どの手術でも、通常は術後数日で歩行が可能となり、術後2-3週程度で退院あるいはリハビリ転院できるほどに回復します。
 

四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術

軟部腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍がありますが、本手術は良性軟部腫瘍に対する腫瘍切除術のことです。良性軟部腫瘍には、脂肪腫や血管腫などが含まれます。一般的に、診察所見や画像所見のみでは軟部腫瘍の良悪性は区別することが難しく、そのような場合には、生検といって、腫瘍の一部を採取して、病理検査で良悪性の診断を行います。軟部腫瘍は、良性と診断が確定もしくはその可能性が高ければ、手術を行わずに経過観察をされることもありますが、腫瘍が何らかの症状の原因となっていたり、外観上の理由などにより患者さんが切除を希望された場合には、腫瘍切除術を行っています。
 

関節鏡下靭帯断裂形成手術(十字靭帯)

前十字靱帯断裂に対しては、自家腱を用いた関節鏡を用い靱帯再建術を行います。早期のスポーツ復帰と続発する変形性関節症を予防することが目的です。自家腱としては、膝屈筋腱もしくは骨付き膝蓋腱を用いて良好な成績が得られています。

その他

股関節、膝関節、骨軟部腫瘍、脊椎、上肢、足・足関節を得意とし、人工関節置換術、骨切り術、悪性骨軟部腫瘍に対する患肢温存手術、内視鏡(関節鏡)下手術、脊椎外科手術、末梢神経手術などを行っています。特に、日本をリードし続ける骨切り術から、コンピュータ技術を取り入れた人工関節置換術まで、関節疾患に対して多くの術式を用いた手術加療を行っています。