研究と教育 呼吸器外科

基本概要

外来窓口 外来4F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-5453,5479
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研究

呼吸器外科では、医学・医療の発展に貢献するため、精力的に基礎・臨床研究に取り組んでいます。肺癌などの胸部悪性腫瘍に関する研究を中心とし、肺移植に関する研究も行っています。近年、肺癌に対して免疫療法が日常診療で使われるようになりましたが、その癌免疫療法がどのような患者さんに効きやすいのかについて研究しています。また、新しい免疫療法に関する研究も行っています。さらに、術後に行う抗がん剤治療に関する多施設共同の臨床試験などにも参加しています。以下は、現在当科が取り組んでいる臨床研究の一部です。

•    胸部悪性腫瘍における免疫チェックポイント因子発現の意義解明
•    肺癌における上皮間葉移行の臨床病理学的意義に関する研究
•    肺癌患者における家族背景、免疫・栄養状態と予後との関連
•    肺癌患者における宿主免疫状態と腫瘍微小環境との関連
•    EGFR遺伝子阻害剤耐性機序の解明
•    ミエロイド由来抑制細胞を用いた免疫療法の開発
•    移植後閉塞性細気管支炎におけるHMGB1、IL-17、IL-38の役割
•    病理病期II/IIIA期非小細胞肺癌完全切除例に対する術後補助化学療法のS-1単独療法とS-1+CDDP併用療法の無作為化第II相臨床試験
•    肺癌術後再発症例の治療と予後に関する多施設共同前向きコホート観察研究

教育

呼吸器外科は100年以上の歴史のある教室で、高い人格と知識を持った外科医の育成に取り組んでいます。
全国的にみると外科医は減少傾向で体力的、時間的な制約などがその敬遠される理由と思われます。しかし外科医は手術によって目の前の患者さんを自らの手で治療し、救うことができます。『がん患者さんの病巣を完全切除し、がんの「根治」を達成する』、『致死的な腹膜炎の患者さんを緊急手術により救命する』など自らの手で患者さんの命を救うことができる治療は外科治療ならではです。日本中に外科医を必要とする患者さんが今現在もたくさんいるのです。

平成30年4月1日から新専門医制度が導入され、外科専門研修スケジュールが変更されています。外科専門医を取得するには、初期研修終了後に日本専門医機構が認定した外科専門医研修プログラムの下で、最低3年間の研修を行い、必要な執刀数や症例数を経験しなくてはなりません。九州大学病院の外科専門研修プログラムでは一般外科・心臓血管外科・小児外科の連携の下、幅広く数多くの外科症例を経験することができます。
呼吸器外科では各疾患グループとの協力体制をとることで呼吸器だけでなく、消化器、内分泌、乳腺、肝胆膵、移植、血管外科などの専門性の高い領域に専門医を配置し、充実した指導体制を整えています。九州はもちろん全国に及ぶ関連施設において、出身大学や男女の別なく若手外科医の手術手技研鑽を全力で指導しています。関連施設と連携し、後期研修医がスムーズに外科専門医を取得できるようなローテーションプログラムを企画・構築しています。外科専門医はもちろん、サブスペシャリティ専門医などの取得が可能です。

また「疾病・病態の分子機序解明」に主眼を置いた研究に取り組むことにより、自らの研究を世界へ発信し、世界で活躍できる人材の育成を目指しています。ほぼすべての医局員が医学博士号を取得し、さらに研究や臨床のために欧米留学することを推奨し、つねに海外へ5-10名の留学者を派遣しています。

外科医は患者さんの体にメスを入れることが許される代わりに、患者さんの命に全責任を負うことになります。外科医の熱意、知識、努力が直接患者さんの心と体を救うこともあります。時には厳しい現実を目の当たりにすることもあります。しかし大変な手術を乗り越え、日一日と回復し、元気に退院する患者さんを目の当たりにすると、何にも代えがたい充実感を覚えることも確かです。我々と苦楽を共にし、研修に励みましょう。一緒に手術ができる日を楽しみにしています。