乳腺外科 外科系

基本概要

外来窓口 外来4F
初診日 月-金
再診日 月-金
ご連絡先 092-642-5453,5479
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診療科紹介

乳腺外科では、世界のデータとガイドラインに基づいて、病状に応じた適切な治療法を提案します。

乳がんをはじめ、乳腺の良性腫瘍、乳腺症、乳腺炎など、乳腺に関する疾患全般について診療を行っています。乳がん治療の専門家として、手術法について様々な技術をもち、個々の症例に応じた術式選択に細かな配慮を行っています。 手術の入院期間は、部分切除術で約5日、乳房切除術で約1週間、腋窩リンパ節郭清の場合は約10日で、早期社会復帰を目指した治療を行っています。
さらに、手術療法・ホルモン療法・化学療法・分子標的療法・放射線療法など、様々な治療を患者さん個人の特性に合わせて行います。とくに他科との連携が必要な併存症の患者さんが、安心して乳がん治療を受けられるよう丁寧な診療を心がけています。適切な治療法を組み合わせたチーム医療と医療連携で、個人を尊重したがん治療を目指します。
それぞれの患者さんが、納得して治療を受けられるよう、日々診療に取り組んでいます。

主な対象疾患とその治療

乳がん

乳がんは主に、乳房を構成する「乳管」または「小葉」という場所から発生します。現在、年間約9万人の方が新たに乳がんになっています。予後は他のがんより比較的良好ですが、中には他の臓器へ飛んでいく「転移」を起こす場合もあります。乳房の「しこり」の自覚や、マンモグラフィなどの検診で見つかることが一般的です。ある種の乳がんにおいては、生活習慣や遺伝がその発生に関わっていることが分かってきています。乳がんは罹患数、死亡数ともに増加し、現在日本で、罹患数は1位、死亡数は5位となっています。とくに、40歳代、50歳代の方が最も多く、30歳前半でかかる方も少なくありません。ご本人のみならず、お子さんやご家族の方々の悲しみと苦労は計り知れません。社会的な役割を多く担う世代だからこそ、一人ひとりの生活に合わせて、最適な治療を提供しサポートしていくことが重要と考えています。乳がんは早期発見によって90%以上が治せる病気です。また、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群、若年性乳がん患者さんの妊孕性(妊娠する力)などについてもさまざまな部門と連携してサポートしますので、お気軽にご相談ください。

乳がんの治療は大きく分けて3種類あります。1)外科療法(手術)、2)放射線療法、3)化学療法(抗がん剤)や内分泌療法(ホルモン剤)などの薬物療法です。早期の乳がんでは、原則手術を行い、必要に応じて放射線や薬物療法を行うことになります。進行乳がんでは、薬物療法が中心となることがあります。根治が難しく、がんによる症状が強い場合には、生活の質を重視した緩和的な治療を行うことがあります。手術は、乳房を残す「温存」か、全部切除する「全摘」が中心になります。腋のリンパ節に対する手術も行うことがあります。
乳がんの治療は、がんの特性に基づいて、一人ひとりの患者さんに最も効果的な方法を組み合わせて行います。病期I、IIの方では通常、手術治療を中心として先に行い、補助的に放射線やホルモン剤を、必要があれば抗がん剤を追加して行うのが標準治療(=最も良い方法)です。
病期II、IIIの方で、手術に加えて抗がん剤も必要と考えられる場合には、手術より先に抗がん剤治療を行うこともあります(術前化学療法)。臨床的に腋窩(えきか)リンパ節に転移がないと考えられる早期の症例に対しては、センチネルリンパ節生検による腋窩リンパ節郭清省略も行っています。
2013年から保険適応となった乳房切除後の乳房再建も形成外科と協力し行っています。また、乳がんの治療薬は日々進歩していきます。国立病院機構九州がんセンターと連携を行い、治験・臨床試験参加もご紹介することも可能です。有効な治療法、薬剤がいち早く患者さんの手元に届くように努力しています。

乳腺良性腫瘍

しこりを感じて受診する患者さんの多くは良性腫瘍です。乳腺の良性腫瘍は数多く存在しますが、「線維腺腫」「葉状腫瘍」といったものが一般的です。これらは原則、生命に関わることはありませんが、増大傾向や、疼痛などの症状を伴う場合は、手術の適応となります。また中には、悪性が否定できないこともあり、診断を兼ねた手術を行う場合もあります。乳腺の良性腫瘍に対する治療としては、手術が一般的で、抗がん剤などの薬物療法や放射線治療は、適応にはなりません。原則、良性腫瘍であれば、その部分だけを取り除く「摘出術」を行いますが、悪性の可能性がある場合は、少し広めに取る場合もあります。確実な診断を行い、手術が必要か、否かをしっかりと判断します。「良性か悪性かわからないから、手術しましょう」「今は良性ですが、悪性になるかもしれないから手術しましょう」といったことはほとんどありません。どうしても手術が必要な場合や手術を強く希望される場合には、できるだけ目立たない傷で切除するようにしております。基本的には日帰り手術が可能です。

その他

当科では乳腺の悪性腫よう(乳がん)/良性腫ようを中心とした疾患を扱っています。手術は乳房温存手術(乳房を残す手術法)、乳房全切除術、乳房同時再建手術(乳房温存手術が不可能な場合に、乳房を全適した後に乳房の形を作る手術)、センチネルリンパ節生検、乳腺良性腫ように対する摘出術も行います。なかでも内視鏡下乳がん手術を、症例に応じて取り入れており、小さくて目立たない手術の跡で、”身体にやさしい”手術を目指しています。