胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科 外科系

基本概要

外来窓口 外来4F
初診日 火・木・金
再診日 火・木
ご連絡先 092-642-5453
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診療科紹介

胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科では、がんを中心とした胆道・膵臓領域の悪性疾患や胆石症などの良性疾患の手術だけではなく、内視鏡を用いた診断と治療(ERCPといいます)も行っています。手術術式は、身体への負担が少ない腹腔鏡手術から血管合併切除を伴うような高難度手術まで高い根治性と安全性を両立した診療を目指しています。また、腎不全に対する腎臓移植、1型糖尿病に対する膵臓移植を数多く行っています。

主な対象疾患とその治療

膵臓の腫瘍

臓の腫瘍には、膵がんなどの悪性腫瘍や膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍(MCN)、神経内分泌腫瘍(NET)、充実性偽乳頭状腫瘍(SPN)などの良性-境界悪性腫瘍があります。腫瘍が膵頭部に存在する場合は、膵頭十二指腸切除術、膵体部から尾部に位置する場合は膵体尾部切除術、膵頭部から体尾部に広く及ぶ場合は、膵全摘術を行うこともあります。最近では腫瘍の位置、悪性度によっては腹腔鏡下手術が選択されます。

胆管結石、胆管炎

胆石は胆汁中のコレステロールやビリルビンが結晶となり形成されます。胆汁の通り道である胆管に石が形成されたもの、あるいは胆嚢(のう)から落下したものを胆管結石といいます。結石が胆管を塞ぐことにより、腹痛、発熱、黄疸の症状が表れ、急性胆管炎を発症することがあります。治療法は、体への負担の少ない内視鏡的胆管結石切石術が主流で、胆管の出口(十二指腸乳頭部)を広げて(内視鏡的乳頭括約筋切開術)、切石(石を採ること)します。当科では年間約400例のERCPを行い、専門スタッフが対応します。

その他の良性疾患

その他にも、胆嚢結石や急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、先天性胆道拡張症に対する腹腔鏡下先天性胆道拡張症手術、内視鏡的に切石が困難な胆管結石に対する腹腔鏡下胆管切開切石術など積極的に腹腔鏡下手術を行い、患者さんの負担の軽減に努めています。

慢性腎不全

慢性腎不全に対する腎代替療法の一つとして、生体腎移植および脳死/心停止下腎移植を行っています。生体腎移植は透析導入前に行うことも可能で、近年は透析導入前の腎移植が増加傾向にあります。生体腎移植はドナー、レシピエント双方の安全性が求められます。当科ではドナーの手術は、全例で腹腔鏡手術を行っています。これにより術後の回復が早く、入院期間は約7日間となっています。レシピエントに関しては、豊富な経験に基づいた安全な手術、そして移植腎の長期生着を目指した確実な手術を心掛けています。移植直後から透析が不要となり、入院期間は約2週間となります。

1型糖尿病

膵臓からのインスリン分泌が枯渇する1型糖尿病に対しては、脳死下膵移植、腎不全を併発する際には、脳死下膵腎同時移植を行っています。脳死下での移植のため緊急手術となりますが、迅速な対応と十分な説明を行ったうえで、膵腎移植に熟練したスタッフのもと、安全に行っています。インスリンと透析が同時に離脱できることにより、大幅な生活の質(QOL)の向上が期待できます。

その他

【得意分野】
胆石症、膵臓腫瘍、先天性胆道拡張症などに対する腹腔鏡手術を積極的に行っています。また、肝内結石症や総胆管結石症などに対する内視鏡的治療(ERCP)も行っています。生体腎移植ドナー手術(腎臓摘出術)は全例で、生体膵臓移植ドナー手術(膵臓半分(体尾部)の摘出手術)にも腹腔鏡手術を適用し、患者さんの負担の軽減を目指しています。