研究と教育 心臓血管外科

基本概要

外来窓口 外来3F
初診日 火・水・金
再診日 火・水・金
ご連絡先 092-642-5565
ホームページはこちら

研究

1.ヒト心筋におけるアクチン重合制御機構の生理的意義についての研究

私たちは、宮崎大学医学部薬理学分野及び九州大学医学部生化学分野との共同研究により、心臓におけるアクチン重合制御機構の果たす生理的・病態学的意義の解析を進めています。これまでに、アクチン重合制御因子Formin Homology 2 Domain Containing 3 (Fhod3)が、心筋の収縮装置であるサルコメアを構成するアクチン線維の形成を通じて、心臓の発生および心機能の維持に重要な役割を果たすことを当教室員が示しました。また最近、Fhod3が、家族性肥大型心筋症の主要な原因の一つである、心筋ミオシン結合タンパク質Cと結合して心機能の制御に関わることも見出しています。現在、我々は心臓手術時に得られたヒト心筋サンプルを用いて、ヒト心筋におけるアクチン重合制御機構の関与についての解析を進めています。
 

2. 胸腹部大動脈手術時の脊髄保護戦略に関する研究

胸腹部大動脈手術の重篤な合併症の一つに対麻痺(下半身麻痺)があります。これは、大動脈から分枝する脊髄への栄養血管が、手術により一時的に遮断されるためなどにより起こります。我々の研究室では以前からウサギの一過性脊髄虚血モデルを用いて、その病態生理を研究し、近年ではプログラムされた細胞死の一形態である、オートファジーやネクロプトーシスの関与、また脊髄冷却によるそれらの細胞死の保護効果を明らかにしました。現在ではネクロプトーシスをターゲットとした新たな治療戦略の開発に励んでいます。
 

3. 非侵襲的心臓エナジェティクス評価の開発及びその臨床応用

左室圧容積曲線解析から得られる情報は、心臓エナジェティクスなど非常に有益なものですが、検査が侵襲的であり実臨床での測定は困難です。我々の研究室では、これらの指標が非侵襲的な心エコー検査データと血圧で近似できることを動物実験で報告し、後天性および先天性心疾患の数々の病態に対して解析を行ってきました。最近では、新たな大動脈弁手術であるTAVIと従来の外科的大動脈弁置換術による心臓エナジェティクスの変化の違いや、大動脈手術後の人工血管による血管スティッフネスの増加が心臓エナジェティクスに与える影響などを研究し、さらなる術後成績の向上を目指しています。

教育

1.私たちのプログラム

初期研修2年間ののち、九州大学病院および関連病院(現在12施設:西日本圏内)で研修を行います。必要に応じて一般外科へローテーションして外科専門医に必要な単位を取得します。その後、心臓血管専門医取得に向けてのトレーニングを行いながら、成人一般心臓外科(弁膜症、冠動脈バイパスなど)、大動脈外科(人工血管置換、ステントグラフトなど)、小児心臓外科(心室中隔欠損手術、フォンタン型手術など)、心不全外科(人工心臓や心移植など)、低侵襲手術(TAVIやロボット手術)を全般的に学びます。卒後5〜7年目に研究室または基礎研究大学院で研究に従事し、心臓血管外科に関わる基礎研究を3〜4年間行い学位を取得します。
その後、臨床に戻り各スペシャリティーをさらに深く磨きながら自分にあった専門分野を確立していきます
 

2. 術者への道のり

卒後3年目(心臓外科医として1年目)をめどに、開胸のうえ人工心肺装着、心停止下の手術(心房中隔欠損症閉鎖など)を習得し、その後、習熟度に合わせてステップアップを行います。学位取得後に本格的に術者トレーニングが始まります。
ウェットラボの風景

3.学生教育

当科では、年2回のウェットラボ(図14)を開催し、5, 6年生の医学生および研修医、レジデントを対象に模擬手術トレーニングを行なっています。外科の基本は縫合と結紮のクオリティーです。質の高い手術を提供するためには、完璧にクリアすべき基本技術と考えていますが、専門的なレベルへ到達するには時間がかかるので、早い時期から集中的にトレーニングすることが必要だと考えています。このウェットラボを通じて少しでも皆さんの技術向上に貢献したいと思っていますので、私たちスタッフも「本気」で皆さんのトレーニングをお手伝いします。