この災害対策マニュアルは、平成7年1月の阪神・淡路大震災及び平成8年 6月の福岡空港での航空機事故を契機に、平成9年2月に、当院における災害発生時の行動指針として、その対策・対応を目的に作成したものです。平成17年 3月には、福岡西方沖地震の被災経験を踏まえて大幅な見直しを行ったほか、重症度に応じた各診療エリア及び病棟毎の時系列的な行動プランであるアクションカードを作成し、それ以降、新病棟及び外来診療棟の開院の時期に大幅な改訂版を発行してきました。
また、平成21年2月には、当院の防災対策に関する事項を審議する「防災対策委員会」の下に、災害対策に関する専門的知識を有する委員により構成される、「防災対策専門委員会」を設置し、現在、この専門委員会が中心となって、毎月、病棟で災害発生時の初動訓練を行っているほか、毎年、地域で大規模災害が発生した想定で多数傷病者受入訓練(トリアージ訓練)を実施しています。
当院は平成8年12月に福岡県知事より災害拠点病院に指定されており、厚生労働省が主催する講習会を受講した医師、看護師及び医療スタッフによる日本DMAT(Disaster Medical Assist Team)を置いています。平成23年3月の東日本大震災や、平成28年 4月の熊本地震では、隊員を派遣し、被災地への医療支援を行いました。その他DMAT隊員の方々には、院内の災害訓練の準備や企画運営にもご協力いただいています。
加えて、当院は、平成30年 3月に福岡県知事により原子力災害拠点病院に任命され、地域医療における当院の重要性はより高まっています。
今後は、机上訓練を含めて、当院が地震等により被災した想定に加え、院外への医療救護班の派遣を想定した訓練を実施し、訓練参加者の意見を参考にして、このマニュアルに記載された項目を検討し、適宜修正を行ってまいります。
なお、職員の皆様には、病棟での災害時初動訓練および多数傷病者受入訓練の際に見直した(あるいは、今後見直すことになろう)アクションカードを日常的に心に留めて行動いただくと同時に、このマニュアルを身近に置いて活用いただくことで、防災意識を常に持つよう心がけていただければ幸いです。
九州大学病院の災害対策(学内限定)