病院長挨拶 病院について

病院長挨拶

《 九州大学病院の理念 》           

患者さんに満足され、        
医療人も満足し、          
医療の発展に貢献する病院を目指します。   
   
                                                                                                   
《 基本方針 》
1 高度医療の提供と研究開発の推進
2 より高い医療安全の追求
3 地域医療への貢献
4 情報技術を基盤にした国際化の推進
5 全人的医療を実践する医療人の養成


未来に向けて――着任のご挨拶
 
病院長  中村 雅史

 九州大学病院は、ルーツである京都帝国大学福岡医科大学附属医院開院より119年、黒田藩の医育機関「賛生館」まで遡れば150 年以上の歴史を有しています。また、Newsweek誌のThe World Hospital 2021で国内5位以内、世界で100位内にランキングされており、名実ともに日本を代表する大学病院であり、西日本における高度医療の中核拠点としての役割を果たしています。
 一方、新型コロナ感染症によるパンデミックや自然災害などの地域医療における危機的状況が頻発する昨今、このような高度医療拠点としての役割に加えて、緊急事態に際して地域の医療を支えるという使命も重要です。「患者さんに満足され、医療人も満足する医療」という病院理念を守りながら、これらの重要な役割を果たしていくために、次のような取り組みを進めて参ります。


先端的医療実施の促進と安全性の強化

 九州大学病院のさらなる成長を促すために、本院が認定されている「臨床研究中核病院」や「がんゲノム医療中核拠点病院」といった多くの高次機能を活用して先端医療の実施を促進するとともに、対応する医療安全の仕組みも強化します。九州大学病院であれば最先端医療も安心して受けられるという環境を整備することで、新規患者数の増加による財政基盤の強化を実現するとともに、ハイボリュームセンターとしてのデータ蓄積や、財源増加によるさらなる先端医療の開発につなげます。そして、このプラスのサイクルを回し続けることで、九州大学病院の成長を促進し持続的なものとします。
 また、人事交流を通じて病院地区キャンパスのイノベーションを持続的に別府病院へ提供して、このプラスサイクルを別府地区にも波及させます。このサイクルで医療・健康分野のイノベーションを先導し、指定国立大学法人である九州大学の機関としての責務も果たします。

九州大学病院が地域で担うべき役割

 病診/病病連携といった地域医療との連携は、九州大学病院運営の柱の一つであり、継続的に連携の仕組みを整備していきます。新型コロナ感染症のような新規感染症の再来や自然災害といった緊急事態に陥った状況での地域連携も重要な使命であり、真摯に取り組みます。小児期発症慢性疾患患者の移行期医療や多数の併存疾患を抱える高齢患者への高度医療提供に関しても、診療科連携で対応し、地域医療拠点としての責務を果たしていきます。
 医療人の教育も本院の重要な使命です。全人的医療とともに、医療安全も十分に身に着けた医療人育成のために、管理部門とも連携して教育を行います。また、アジア遠隔医療開発センターなどの九州大学病院がもつ資源を活用して国際教育も推進します。「きらめきプロジェクト」に代表される多様な働き方を導入することで、女性医療者のキャリア継続や職員のライフワークバランス向上にも取り組みます。

 以上述べてきた事項は、これまで経験してきた本院全職員の優れたチームワークがあれば必ず実現できると確信しています。安全性に裏付けられた先端医療の実践と、さらなる新規医療の開発というサイクルを原動力にして成長し、緊急事態に際しては地域医療機関と連携して危機の克服に尽力し、地域に信頼され、世界から認められ、全職員がさらなるやりがいや誇りをもつ、よりよい九州大学病院を目指します。
2022年4月