病院長挨拶 病院について

病院長挨拶

病院長 赤司 浩一

世界最先端医療の創出と、優れた医療人の育成を


広域医療圏拠点としての体制づくりを

九州大学病院は1,400を超える病床を有し、約3,000人の職員が働く、全国の国立大学病院最大規模の病院であり、地域医療における「最後の砦」として、最新最善の医療を提供するという使命を担っています。この 4月に病院長に就任し、本院の役割と使命を改めて認識し、身が引き締まる思いがいたします。

これまで以上に、本院がその役割を果たしていくためには、国が主導する仕組みと連動しながら、広域医療圏拠点としての体制づくりを行うことが重要だと考えています。
 

体制整備・強化で、診療・研究面のさらなるレベルアップを

患者さん一人ひとりの病態が依存する生命分子情報に基づいて個人に適した薬を選択するという、いわゆる「精密医療」(プレシジョンメディシン)が世界的に進むなか、わが国では国主導でがんに対するゲノム医療整備が始まっています。今年 2月、本院は「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定されました。また、 4月より九州大学医学研究院に 「プレシジョンメディシン研究センター」が新設されました。医学研究院とタッグを組んで、がんゲノム医療で日本をリードしたいと考えます。
肝臓・膵臓・腎臓・心臓などの臓器移植と造血幹細胞移植を含むいわゆる移植手術の分野において、九州大学病院は、全国一の症例数を誇っています。昨年 8月には、「造血幹細胞移植推進拠点病院」として「造血幹細胞移植地域支援センター」を設置し、移植技術から患者さんの管理まで、全人的研修を支援するための仕組みを作りました。

また本院は、九州唯一の「臨床研究中核病院」として、ARO次世代医療センターを中心に、さまざまな大学や病院と連携して臨床研究を行っています。今後もさらに多くの新しい治験を受け入れ、革新的医薬品・医療機器の開発に力を注ぎたいと考えています。一方で、高度新規医療を評価する組織、さらに病院全体として医療の安全管理を徹底するために、医療安全管理部を病院長直属の組織としました。

このように、新たな体制、仕組みの整備、強化を図りながら、診療・研究面において、さらなる高みを目指すと同時に、安全安心の医療の提供に尽力する所存です。
 

優れた医療人を育成し、地域医療へ貢献

広域医療圏の拠点である国立大学病院として、本院が担うべき重要な役割のひとつは、優れた医療人の育成です。今年度から新専門医制度がスタートしました。本院では、さまざまな分野を融合した多角的な研修が可能であり、初期研修医、専攻医どちらのニーズにも応えた柔軟かつ行き届いた研修を提供することができます。加えて、治験から臨床まで幅広く学び、移植医療やロボット医療などの高度医療にもふれることができる、充実した教育環境が整っています。

医療を志す若い方には医師、看護師、薬剤師などそれぞれの役割を果たす医療人として、キャリア形成のすべての段階において、実りある人生を送るために本院を活用していただきたいと思います。各人が自分の役割を見極め、やりがいを感じる分野で自分の可能性を最大限活かすことが、地域医療への貢献に直結すると考えます。

本院の特長のひとつである国際化については、ここ数年、国際患者の受け入れと診療支援が急増し、29年度の診療支援件数(通訳・翻訳・相談など)は1,239件(30年 3月末)に達しました。こうした状況をふまえ、引き続き国際診療支援センターにおける対応の充実を図ってまいります。

アジア遠隔医療開発センターでは、アジアを中心とした国際的遠隔医療活動の拠点として、映像配信による遠隔医療教育、新しい映像通信技術の開発、人材交流の促進などに取り組んでいます。本年 7月10日時点でセンターとの接続施設は、62か国596施設となりました。今後もさらなる接続国・施設の拡大、医療プログラムの分野拡大を目指します。
 

適切な投資で、患者さんも医療人も満足する医療の実現を

これからの 4年間、経営面においては、効率的な病院運営と適切な投資がもっとも重要であると考えています。これは、全職員がやりがいと誇りをもって仕事に集中できる環境を整えるためです。医療人はみな、人の生命を助けることに使命感と誇りをもっています。全職員が誇りをもって医療に参加することが、本院の理念である「患者さんに満足され、医療人も満足する医療の実現」に繋がります。

健全な病院経営を基盤に、世界最先端の医療の創出とそれを支える医療人の育成に力を注ぎ、皆さまの信頼と期待に応える九州大学病院を目指してまいります。
2018年 8月

病院長報告会資料

前年度病院長報告会資料