集学的痛みセンター 病院部門紹介

痛みは日本国民の愁訴で最も多いものです。痛みに伴う機能障害をこじらせると治療が困難になるため、厚生労働省は集学的な治療を推進しており、再び生きる喜びを実感できるようにサポートする医療を目指して、本院に集学的痛みセンターが設立されました。

[得意分野]
痛みをきたすさまざまな疾患に対する生物心理社会的観点での多面的な病態評価とそれにもとづく集学的治療を行っています。本院各科の専門家と協力し、全国各地から紹介された慢性疼痛難治例に対して心身医療を行い、QOLを向上させた治療経験の蓄積があります。

[診療体制]
医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士・公認心理師などの多職種で構成され、各専門分野を研鑽しながら定期的な集学的カンファレンスを行い、個々の患者さんに対して複数の担当者が情報交換し、多面的観点からオーダーメイドの医療を実践しています。

[診療方針]
社会生活においては、現在の環境や身体状況だけでなく、個人の独特な考え方(認知)・幼少期からの生育歴に影響された感情のもち方や行動パターンにより、痛みに対する対処が決定し、痛みが軽減するか、悪化するかが決まってきます。これらの観点で医学的病態を分析し対策を練り、患者さんに寄り添った診療を行っています。

[対象疾患]
多くの病気やストレスを契機に発症し、適切な医療を受けても3か月以上続く痛みや、原因がはっきりしない痛みに苦しんでいる方

[主な検査]
各種自記式質問紙、心理検査、活動量計、可動域制限に関する評価、サーモグラフィ、自律神経機能検査、定量的感覚検査(QST)

[主な治療]
病態とそのステージに沿った薬物療法、運動療法、理学療法、作業療法、各種神経ブロック(高周波熱凝固法、パルス高周波法など)、脊髄刺激療法、経皮的髄核摘出術、神経剥離術(スプリングコイルカテーテル)、自律訓練法、心理カウンセリング、認知行動療法、マインドフルネス、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)、芸術療法、箱庭療法、精神療法など。

[学会施設認定]
日本運動器疼痛学会(いきいきリハビリノート使用施設)