腎疾患治療部は1983年に開設された中央診療部門です。南棟4階に血液透析ベッドとして13床を保有しています。加えて、2006年から腹膜透析(CAPD)外来を開設しました。
[得意分野および診療体制]
血液透析の患者さんの維持透析、急性腎不全に対する緊急透析(約480例/年、約3,600回/年)、および腎不全、腎炎、ネフローゼ症候群、電解質や酸塩基平衡異常に関する他科からのコンサルテーション(約300例/年)に対応しています。CAPD外来では約50名のCAPD患者さんの管理を行い、年間約10例のカテーテル挿入術を施行しています。その他には、腎炎に対する腎生検と診断(約600例/年)、透析合併症としての二次性副甲状腺機能亢進症の治療や、胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科と連携して腎臓移植の患者さんの内科的管理、移植腎に対する腎生検診断も行っています。
[診療方針]
腎疾患治療部では、蛋白尿から慢性腎臓病、血液および腹膜透析医療、腎不全に伴う合併症治療、さらには腎臓移植に至るまで腎臓に関する包括的医療を目指しています。看護師、臨床工学士の協力のもとにチーム医療を行い、患者さんにとって最善の治療を行えるよう十分な検討を行い、治療方針を決定しています。
[対象疾患および主な検査、治療]
■腎炎、ネフローゼ症候群
確定診断のための腎生検検査を行います。専門の腎病理医が診断し、腎組織カンファレンスで治療方針を決定
します。
■腎不全、電解質異常に関するコンサルテーション
腎不全や電解質の管理、腎不全時の薬剤投与の注意点など、腎臓全般に関するコンサルテーションを受け付け
ます。腎前性・腎性・腎後性腎不全の鑑別のための腹部超音波検査を施行し、理学所見や他検査と合わせた総
合的医療を行います。
■血液透析
血液透析患者の維持透析および急性腎不全に対する緊急透析、これに関連したバスキュラーアクセス造設術、
人工血管移植術、透析用カテーテル留置術、経皮的血管形成術 (PTA)などを行います。
■腹膜透析
CAPD患者の内科的管理に加えて、外科的には腹膜透析カテーテル留置術から抜去術まで行います。
■二次性副甲状腺機能亢進症
専門医が副甲状腺超音波検査を含めた精査を行い、内科的治療、副甲状腺摘除術 (PTX)などを行います。
■腎移植
胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科と連携して、腎臓移植患者のサポートを行います。腎臓移植前後の透析
療法に加え、専門医が腎臓移植後の内科的管理や移植腎の病理診断を行います。
[学会施設認定]
日本腎臓学会認定施設、日本透析学会認定施設