病理診断科・病理部 病院部門紹介

病理診断科・病理部
顕微鏡を用いた病理診断

病理部は、組織や細胞の顕微鏡的観察により、病気を診断する部門です。
正確な診断によって、よりよい治療に貢献できるよう業務を行っています。

[運営体制]
業務は医師(病理部、病理学教室)と臨床検査技師(組織診断関係は7名、細胞診断関係5名)の連携により行われます。また技能補佐員2名、メディカルアシスタント2名が両業務をサポートしています。担当医師は組織診断、細胞診断を行います。

[運営方針]
病理部では、迅速かつ正確な診断を行うため、医師と技師や、病理部と臨床各科とのコミュニケーションを心がけています。

[業務内容] 
病理部のおもな業務は病理組織診断、術中迅速診断、細胞診断、病理解剖で、年間にそれぞれ18,344件、1,059件、16,968件、16件の診断を行っています(2021年)。病理組織診断は、生検や手術によって採取、摘出された組織・臓器を肉眼的、そして顕微鏡レベルで詳細に観察し、実施します。必要に応じて特殊染色や免疫染色を加え、診断を確定します。治療の標的分子を組織切片上で検索する検査も盛んに行われています。がんゲノム医療の実践にあたって2021年には2019年に取得したISO15189認定を更新し、遺伝子パネル検査に最適な病理検体の管理と選別を行っています。2021年に新設された分子病理専門医は6名在籍しています。術中迅速組織診断は、手術中に病変の質や広がりをリアルタイムで診断し、手術方針の決定に役立てられます。細胞診断では尿、喀痰、擦過や穿刺吸引(乳腺、甲状腺等)によって得られた細胞で、悪性細胞の有無、炎症性変化などのスクリーニングと診断を行っています。病理解剖は、不幸にも患者さんが死亡した場合、病気の原因・進行度や死因解明のため行います。剖検症例の全例が主治医を含めた臨床医と病理医が参加して行われる臨床・病理検討会(CPC)において討議されています。

[設備]
病理診断支援システム、ハイビジョンデジタル顕微鏡モニタ、自動薄切装置、自動染色装置、自動封入装置、凍結標本作製装置、自動ラベル印字装置、自動カセット印字装置、自動免疫染色装置、デジタル写真撮影装置付顕微鏡、バーチャルスライドシステム、次世代シークエンサーなど

[特色]
「患者さんのための病理診断」を目標に、病理部と医学研究院の病理病態学、形態機能病理学、神経病理学、保健学科、歯学研究院の口腔病理学の各分野にわたって高度な専門性を持つ病理医の連携により、精度の高い病理診断がなされます。最終的な病理診断の決定に際しては、臨床医との連携も盛んに行われ、「チーム医療」の一
員として診断・治療に貢献しています。

[教育]
初期臨床研修医、専攻医を受け入れています。また、医学科生や保健学科生の実習や大学院生の研修などを行っています。そのほか、細胞検査士を目指す技師の研修も受け入れています。職員も病院内外の勉強会、学会や研修会に参加することにより、診断能力の向上に努めています。

[学会施設認定]
日本病理学会、日本臨床細胞学会