消化管外科(1) 外科系

基本概要

外来窓口 外来4F
初診日 火・木
再診日 火・木
ご連絡先 092-642-5453
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診療科紹介

患者さんにやさしい医療の実践を目指して、消化管(食道から胃・小腸・大腸まで)における良性・悪性疾患の診療に取り組んでいます。とくに消化管がんの診療ではロボット手術を含む手術療法を中心に、化学療法や放射線療法などの治療を組み合わせ、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供して、病気の根治を目指します。最新・最良の医療が届けられるように、日々の診療に取り組んでいます

主な対象疾患とその治療

胃の悪性腫瘍

胃がんは胃の粘膜から発生し、進行に伴って広がり、さらに深く浸潤していきます。胃壁は大きく、粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜層に分けられ、胃がんが筋層にまで達すると、進行がんとされます。しかし、粘膜下層まで浸潤した早期がんの段階から、リンパ節に転移する可能性があり、根治のためには胃切除術が必要となります。

消化管外科(1)では、1985年から胃がんに対して胃周囲リンパ節の摘出を伴う腹腔鏡下胃切除術を行っています。現在では胃全摘や幽門側胃切除、噴門側胃切除などすべての術式で、進行がんも含むほぼすべての患者さんに腹腔鏡下手術を行い、手術の低侵襲化(身体への負担軽減)を実現しています。また、2018年に通常の保険診療となったロボット手術も当科では2013年から行い、最先端の医療も現在では、安全で確実なものとしています。

食道の悪性腫瘍

食道は、咽頭(のどの食物の通り道)と胃をつなぐ消化管で、胸の中を通るため、気管、心臓、大動脈や肺に囲まれています。日本の食道がんはその90%が扁平上皮がんという種類であり、その危険因子は喫煙と飲酒であることが広く知られています。食道がんは、早期がんの段階から効率にリンパ節転移をきたし、咽頭喉頭(のど)領域の腫瘍とともに多発することがあるため、十分な治療方針の考慮が必要です。

当科では腫瘍内科(抗がん剤治療専門医)、放射線科、耳鼻咽喉科や形成外科と連携し、診療ガイドラインを基本としつつも、各専門医による緻密な診断の下で、患者さん一人ひとりに応じて治療方針を決定します。手術は頸部、胸部、腹部の3領域に及び、体の大きな負担になりますが、当科では1998年以降食道がんに対しても胸腔鏡や腹腔鏡手術を行い、低侵襲化を実現し、早期の退院と社会復帰を目指す患者さんの要望にこたえています。

大腸の悪性腫瘍

大腸がんは増加傾向が著しいがんで、大腸がんによる死亡数は男性では肺がん、胃がんに次いで3番目、女性では1番になっています。全体では肺がんについで2番目となっています。大腸がんの発生要因として飲酒や肥満、赤肉や加工肉摂取の増加などが指摘されています。手術・化学療法・放射線療法を組み合わせて治療を行いますが、大原則は手術による切除となります。

当科では、他の臓器への浸潤や大きながん、腸閉塞を伴った場合などを除き、基本的に腹腔鏡手術で行い、現在では90%以上の結腸がん・直腸がんの患者さんに対して腹腔鏡手術を行っています。腹腔鏡手術は、手術創が小さく出血量も少ない身体に優しい手術で、入院期間も短縮できます。日本内視鏡外科学会技術認定医を中心に、積極的に最新の手技・工夫を導入し、安全で確実な手術を心がけています。また、内科とも連携し化学療法を含めた集学的な治療を行い、大腸がんの根治を目指しています。

クローン病

クローン病は大腸や小腸に慢性的に炎症をおこす疾患で、主として若年者にみられ、消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が起こりえますが、小腸と大腸を中心として、とくに小腸末端部が好発部位です。それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じます。クローン病の治療は、内科治療が主体となりますが、狭窄や腸閉塞、穿孔、瘻(ろう)孔などの合併症を生じた場合には、外科治療が必要となります。

当科では、若年者が多く、再手術のリスクの高いクローン病の外科治療では、腹腔鏡手術を第一選択としています。手術中に内視鏡検査を行い病気の範囲や程度を確認することで、開腹手術と同等の手術成績です。大腸の病変や瘻孔・膿瘍形成のある場合には、腸管の切除が必要となりますが、小腸の狭窄病変に対しては、可能な限り、腸管切除を避けて狭窄形成術を行い、将来、腸が短くなって吸収障害を残す短腸症候群をきたさないよう努力しています。消化管内科との緊密な連携と協議による手術適応と手術術式の決定を行っています。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性腸疾患です。下痢・腹痛が症状で、病変は直腸から連続的に広がる性質があり、結腸全体に拡がることもあります。主な治療は薬による内科的治療ですが、薬の効果が乏しい重症の場合、穿孔・大量の出血・大腸がんの発生などの合併症が起きた場合、副作用や社会的理由で薬による治療を続けられなくなった場合には、手術による治療が行われます。

潰瘍性大腸炎に対する手術では、原則的に大腸をすべて取り除きますが、肛門機能の悪い高齢者などでは、小腸で人工肛門を作る手術、それ以外では、自然肛門を温存するため回腸嚢(のう)を作って、肛門とつなげる手術を行っています。待機的な手術では一時的な人工肛門を作る2期手術を行い、術後数か月で人工肛門を閉鎖しています。全身状態の悪い緊急例やステロイド大量投与中の方などでは、手術の安全を確保するために切除、再建、人工肛門閉鎖を開腹による3分割に分けて行っています。2002年からは腹腔鏡手術を導入し、原則として腹腔鏡による大腸全摘術を行っています。

その他

手術療法では内視鏡外科学会技術認定医を中心に、ほとんどの疾患で患者さんにやさしい腹腔鏡手術で行っています。上部消消化管(食道・胃)領域では、通常の食道癌、胃癌に加え、食道胃接合部癌やGISTなどの粘膜下腫瘍、食道裂孔ヘルニアに対する手術も多く行っています。下部消化管(小腸・大腸)領域でも、通常の大腸癌に加え、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の手術も多く行っています。